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お坊さんが思う正座についてのあれこれ 前編

作法 明願寺あっちこっち 若院日記

お坊さんが思う正座についてのあれこれ 前編

作法 明願寺あっちこっち 若院日記

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ご法事などで「お坊さんは痺れないんですか?」とか「正座でしびれないコツはありますか?」と聞かれることがあります。

先に結論から申し上げるならば、痺れずにすむ魔法のようなものはありません。お坊さんもしびれますし、あまりコツといったコツもありません。経験上、少しは役にたったかもと思いあたることはあります。また痺れたときどうするかということも含めて少しお話したいと思います。

1.まずは慣れること

いきなりテクニックではないものが出てきましたが、これが一番かと思います。普段の生活で正座する機会が少なくなりました。このため、自分はどれぐらいの時間で痺れるのか、どういう状況だと痺れやすいのか、よくわからない方が多いと思います。痺れにくくする特効薬のようなものはなくとも、「こんなときはすぐに痺れてしまったなぁ」という経験が、次からの肥やしになります。足の形や姿勢など個人差もあると思うので、一概によいといえる型のようなものはないと思いますが、試す中でわかってくることもあるでしょう。

 

2.少し前に重心を置く

重心が後ろに来ると、足の甲に力が集まり、すぐに痛くなると聞きます。とは言え、あまり極端な前傾姿勢は格好が悪いです。背筋はぴんと伸ばし、いつもより少し前に手を置くくらいの意識で十分かと思います。

 

3.足の親指同士を重ねる

個人差があるのですが、私はこれくらいい重ねるのが好きです。ただしもっと深くしたほうがいい人もいると思います。このあたりは何度か調節して、自分のベストポジションを見つけてください。

 

4.正座しやすい服

礼服を着なければならないときは選択の余地はないですが、足を圧迫させないような服装が望ましいです。以前、ジーンズで正座したことがありますが、あっという間に痺れてしまいました。

 

5.痺れをとる魔法はすぐにきれる

魔法はないといいましたが、圧迫された血流が流れれば、痺れはとれます。親指の上下を入れ替える、片足重心にしてみる、などなど一定の効果はあります。けれども一度これをやりだすと持続しなくなってきます。1回目より2回目の方が痺れの間隔は短くなってきます。最低でも中盤以降に頼るようにしないと、かえって苦しむことになりかねません。

 

番外.体重は軽いほうがいい

当たり前のことですが、足にかかる重さが大きければ大きいほど負担になります。私の先輩僧侶も、5キロ増えると正座のもちが全然違うと話しておりました。正座のためにダイエットする人はいないと思いますが、参考までに。

私の経験上、思うところはこのようなことです。少し文章が長くなりましたので、痺れてしまって立てないというときどうするかは、あらためて書きたいと思います。