8月28日に名古屋の曹洞宗寺院で開催された「ダイアログBAR in 名古屋・白鳥山法持寺 ー人とお寺の未来をお坊さんと話そうー」というイベントにスタッフ兼参加者として参加してきました。昨年受講した「未来の住職塾」のOBで「名古屋MJJ(未来の住職塾にちなんで)」というネットワークを構成しているのですが、そのメンバーがホスト兼サポートスタッフとしてお手伝いさせていただいたことです。ちなみに私が幹事をさせてもらってます。
さて今回のイベントは「ダイアログBAR in 名古屋・白鳥山法持寺 ー人とお寺の未来をお坊さんと話そうー」というタイトルがついていますが、ピンと来ない方も多いと思います。「ダイアログ」というのは「対話」ということです。「ダイアログBAR」は東京・京都を中心に各所で開催されているイベントで、それぞれ別の分野にいる人と人とが対話を通じて協力する場です。課題解決へ向けてのアクションまで導けるような構成になっていました。普段はカフェなどを借りきって行うこのイベントをお寺で開催しみようよというのが今回の趣旨でした。同時に僧侶側としては、多くの方に開かれた場を提供しさまざまなセクターの方と対話するなかで、お寺の可能性を知ってもらう。そのノウハウはそれぞれのお寺が活動するとき(とくに檀信徒以外の多くの方を巻き込むイベント)に必ず必要となってくるという裏テーマもありました。
当日は2部構成で、前半は主催者兼スタッフである私たちこのイベントの代表であるNPO法人ミラツクの西村勇也さんに「場作り」について「お寺の場づくり講座〜自坊の未来を開くチームを作ろう〜」というテーマでお話いただきました。人というのは不思議なもので、おおまかなテーマしか与えられていないと何を話したらいいかわかりませんが、些細な事でもテーマが絞られていると話を始めやすいものです。そこから話が膨らんでいって相手を知ることができます。丁寧に進めると最初は固い雰囲気も解きほぐすことができることを実感しました。その後具体的な事例として、仙台の『HaTiDORi』代表の工藤瑞穂さんより「寺フェス」についてお話いただきました。お寺の場のもつ可能性をお寺の人間ではないところから教えていただき力になったことでした。
後半は「ダイアログBAR」本番です。NPO、行政関係の方など40人弱の参加者が集いました。午後からの講座で見聞きしたことが現場でどう生かされているのか実体験する場となりました。まず最初に日本初のクラウドファンディングサービス『READYFOR』代表の米良はるかさんによるスピーチがありました。その後『READYFOR』米良さんxミラツク西村さんx『未来の住職塾』松本さんによるトークセッションの時間でした。西村さんの経験則に基づくお話はとても興味深いものでした。行政関係の方は情報量はピカイチだが自身は動けないことも多く、つながりが限られている。大学教授は専門分野は限られるが、学会などで県をまたいで付き合うことも多く信頼関係も厚い。お寺の人は修行先の先輩後輩や宗門大学でのつながりなどもあり、離れた地域でもつながりが強いのは面白い。またNPO法人というと先行きよくわからないという目で見る方もいるけれど、お寺は揺るがないだろうという信頼感がある。こうした点でほかとはちがった面白い存在になれる可能性を持っているというものでした。なるほどと考えさせられるものがありました。
その後トピック(みんなに意見を問いたいテーマ)を持つ人に立候補してもらい、その他のメンバーは対話したいトピックの人のもとへと別れて、対話の時間となりました。ピンポイントなテーマもあれば、もうすこしざっくりと意見を問いたいというテーマもありましたが、それぞれ自分が向き合っている問題であり、互いに真剣に話す場所となりました。
このイベントを通じてお寺の可能性を改めて感じました。普段交流している分野の方とは別の視点からの意見の中にも、お寺への期待を込めてくださったものが数多くあり目からうろこの部分もありました。なにより私自身が「ヒトとヒトとをつなぐこと」が大好きなんだなと実感する一日となりました。この経験を明願寺の場においてもできればと思うことです。