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念珠が切れても不吉なことではありません

作法 法話

念珠が切れても不吉なことではありません

作法 法話

IMG_5134昨日お参りの後、法話の時のことです。
切れかかっていた念珠の紐がプチッと切れてしまい、念珠の玉がコロコロと転がっていきました。「あぁ、切れちゃいましたね」とみなさんには告げたのち、法話の最中でしたのでひと通りお話してから、念珠の玉を拾いました。
たぶん気になっておられるだろうと思い、ご主人に「不吉だなと思ったでしょ?」と聞いてみると、やっぱり思ったとのことでした。
真宗の坊さんからしたら不吉なことなんて、別にないんですがどきっとさせてしまい申し訳ないことだったなと思うことです。念珠が切れることと悪いことが起きる(悪いというのも本人の主観ですし)ことの間に因果関係はありません。よく使っていれば、それだけ傷んできます。坊さんは1年に1回くらいは切れることがあります。念珠が切れて悪いことが起きるならばけっこう頻繁に不幸に見舞われることになってしまいます。
それでもいい気持ちはしないという方が多いかと思います。そもそも大事なものが使えなくなる時点で残念な気持ちになりますね。私も切れた念珠の玉は無くさないようにして、専用の紐で新たに作り直します。それはなかなか難しいようであれば、仏壇屋さんに相談すれば直してもらえるかと思います。そこまでする気はないという場合は、処分することになると思います。これも処分するのが抵抗あるという方いらっしゃいますが、特に気にする必要はないものです。とはいえどうしても気に病んでしまう方は、お参りに行った時などに私たちにあずけてもらってもいいです。(ただし私たちも特別なことをするわけでもなく普通に処分させていただくわけですが)
今回は切れそうな念珠を持って行ってしまい、ドキッとさせてしまいました。坊さんによっては正しい知識をみにつけてもらうのに絶好の機会であるという人もいるかもしれません。確かに一理あります。目の前の事象をもって説明できる滅多にない機会ではあります。
でも私としては一瞬のこととはいえやっぱりどきっとさせちゃって悪いなって思いはあるんですよね。不吉とかは関係なしに私の性格上のことですね。