お彼岸前後から明願寺もお引上報恩講のお勤めが始まります。お引上報恩講とは浄土真宗の開祖である親鸞聖人のご命日のお勤めです。本来の命日は11月28日ですが、それを現在の歴に合わせると1月16日となります。ただし一日ですべての家を回ることはできませんから、秋口から一軒一軒全ての家をお参りしていきます。
本来の命日を引き上げてお勤めするので、「おひきあげ」とか「ごいんじょう」と言います。他の地域では御取越(おとりこし)というのが一般的かもしれません。
他宗派ではお盆参りが一番忙しいというかもしれませんが、私どものお寺ではこの時期に全てのお宅を巡るので、この時期が一番忙しいといえます。どのお宅でも正信偈と和讃を六首お勤めします。一件あたり40分ほどで1日多いときは10軒ほど回ります。
かなり大変ではあるのですが、今年出会った大谷派(お東さんですね)の先輩のことばに刺激を受けました。その方にとって、お参りは家庭訪問であり、うれしくやさしくおごそかな時間を仏前シェアできるご縁であると。
その姿勢を見ていると、私も一軒ずつのお参りやお話することにより大きな価値を見出すことが出来るなぁと気持ちを新たにしたことです。
今年のお参りも皆さまよろしくお願いいたします。